「スパンドレル貼り」とは?
「スパンドレル」とは、目透かし貼り(張り合わせの目地を強調してデザインの一部として見せる)に使われる板状の部材です。
このスパンドレルをリフォームの際に外壁材として施工するものを、外壁リフォーム「スパンドレル貼り」と呼んでいます。
現在の外壁材の主流はサイディングボード
昔の住宅の外壁はモルタル塗りが一般的でしたが、技術が必要な上、時間も手間もかかっていました。
そこで、板状の外壁材をあらかじめ工場で製造し、それを建築現場で張り付ける「サイディング」が考案されました。
サイディングは規格サイズの製品を建築現場でネジで下地に取り付け、隙間をシーリング材で埋めるだけで施工できます。
素材も窯業系、金属系、木質系、樹脂系など豊富で、デザイン性もよく、コストや施工の簡単さから、現在最も多い外壁施工方法です。
「スパンドレル貼り」と「金属系サイディング貼り」の違い
さて、ガルバリウム鋼板などの「金属系サイディング貼り」と「スパンドレル貼り」は何が違うのか?と思った方もいらっしゃるかと思います。
金属系サイディング貼り
施工の際、隙間をコーキング材(シーリング材)で埋める必要があります。
伸縮性のあるコーキング材は、水の侵入を防いだり、サイディングボードの膨張や収縮が起きたときにクッションになり外壁の破損をカバーします。
サイディング貼りには必要不可欠なコーキング材(シーリング材)ですが、耐用年数は10年程です。
紫外線や水分、温度変化で劣化していきますので、10年程度で必ずコーキング材の交換が必要になります。
スパンドレル貼り
スパンドレル貼りは、コーキング材(シーリング材)を使用せずに施工できます。
コーキング材は使用せずネジでとめるのみです。
コーキング材不要で施工可能な理由は、スパンドレルはサイディングよりも断面の形状が複雑になっており、コーキングが無くても水が漏れないように工夫されているからです。
そのため、同じアルミ材の外壁でも、一般的にはサイディングよりもスパンドレルの方が価格は高くなります。
また、サイディングは外壁だけに使われるのに対して、スパンドレルは天井(軒天)などにも使用されます。
「スパンドレル貼り」のメリット
スパンドレル貼りの最大のメリットは、コーキングの交換が発生しない事です。
サイディング貼りは約10年ごとにコーキングの交換工事が発生します。
工事の際には、コストだけでなく、足場を組むために外壁まわりの物を撤去したり又戻したり、音も発生します。
施工時のコストがスパンドレル貼りの方がかかったとしても、サイディングは10年ごとにメンテナンス費がかかります。
外壁リフォームの際はメンテナンス費も考慮してご検討ください。
金属系サイデンングと迷っておられる場合は、両方の見積もりをとって比べてみましょう。
「スパンドレル貼り」を検討中の場合に気をつけたいこと
コーキング交換が不要のスパンドレル貼りを検討中の場合は、施工業者に外壁材裏の断熱材について確認するようにしましょう。
メーカーで製造された金属系サイディングボードには、裏面に断熱材が貼り付けられています。
この断熱材は、主に金属板の裏面で発生する結露の予防と、太陽熱による金属板収縮時の消音を目的としています。
※ここでいう断熱材は家自体への断熱を目的としたものではありません。家自体の断熱材は外壁材の内側に施工します。
さまざまな形状に加工できるスパンドレルは使い勝手が良いのですが、金属面裏の断熱材がない場合があります。
そのような場合は、結露対策や施工方法など、心配な部分を質問してみましょう。
「スパンドレル貼り」を熟知した施工業者なら、質問にもしっかりと回答してくれるはずです。
外壁リフォームは必ず信頼できる施工業者に依頼するようにしましょう!!