建物について、「外壁の塗装」のことを日常的に気にする人は少ないと思います。
しかし、実は日本の住宅の外壁の8割に使われているサイディングボード自体には防水性はなく、
防水塗料で水が浸み込んだり素材が劣化したりすることを防いでいるのです。
ですから塗装が劣化すれば家は無防備な状態になってしまいます。
ここでは、そんな重要性を持つ外壁塗装の耐用年数についてまとめます。
外壁塗料が劣化するとどうなる?
家は塗装で守られている
日本の住宅の8割以上は外壁に窯業(ようぎょう)系サイディングボードという素材を使っています。
このサイディングボードにはもともと防水性は無く、塗装されていなければ室内に水分が侵入しますし、サイディングボード自体も劣化してひび割れなどが起こります。
「塗装は見た目を良くするためのモノ」という認識を持っている方も多いと思いますが、この考えは間違いです。
「塗装があるから家は守られている」という認識を持ってください。
塗装も劣化するの?
外壁は日常的に、太陽からの紫外線、風雨、温度差、砂やホコリなどにさらされ続けているので、外壁塗装も時間ごとに劣化が進んでいます。
家の外壁に使用されている窯業系サイディングボードは、工場出荷の時に防水塗装が施されていますが、その塗装の寿命は5年から10年程度が一般的です。
ですから新築住宅でも10年程度すれば外壁塗装をしないと、外壁そのものが破損したり、雨漏りが起こったりするのです。
塗料によって塗装の耐用年数は変わる
外壁塗装の耐用年数とは?
外壁塗装の耐用年数は、塗料そのものの耐用年数と、外壁材の耐用年数によって変わります。
塗料も外壁材も、メーカーごとにさまざまな工夫をしていますから、同じ種類でも均等ではありません。
また、暑さ寒さや降水量などの使用環境で実際の耐用年数は変化します。
とはいえ、目安は必要ですから、一般的に言われている塗料の耐用年数をまとめましょう。
塗料によって耐用年数は変わる
塗料は種類によって耐用年数が変わります。メーカーや商品によって異なるため、一概に言えない面はありますが、以下に一般的な分類と耐用年数を書き出します。
- 4年から7年
アクリル系塗料は価格が安いので過去には多く使われていましたが、耐久性が低いことと汚れやすいことから最近は主流ではなくなっています。 - 6年から10年
ウレタン系塗料は、耐久度が高く、汚れに強いことや施工のしやすさでバランスが良い塗料です。しかし近年はシリコン系に押されて使用頻度は減っています。 - 8年から15年
シリコン系塗料、ラジカル系塗料は高い耐久性を持っています。特にシリコン系は色落ちしにくく、カビなどにも強いことから現状最も多く使われています。 - 10年から15年
光触媒塗料は耐久性があるだけでなく、降雨と太陽光で汚れを落とし、カビや菌にも効果を持つという優れた塗料です。一方工事のコストはアクリル系、ウレタン系、シリコン系、ラジカル系より掛かります。 - 12年から15年
ピュアアクリル塗装は、耐久性が非常に高く、防水性も良好です。乾燥に時間を要する特徴があり、冬季の施工では期間が掛かります。
→金沢市をはじめ、富山、福井、石川の北陸エリアの気候には向かない塗装ですので、北陸エリアでご提案することはありません。 - 15年から20年
フッ素系塗料、遮熱系塗料、無機系塗料の3種類については耐久度は申し分なく、その分価格も上がります。
フッ素系は耐久性だけでなく、太陽光や熱に耐える機能、汚れにくさ、カビや菌への強さ、防水性が高い特徴を持っています。
遮熱系塗料はその名の通り熱を遮断する機能に優れており、他の塗料より夏の暑さなどを遮ってくれます。
そのためエアコン使用量を押さえられる点で地球に優しく、選定した場合、補助金を出す自治体もあります。
無機系塗料は有機物をほとんど含まないことで耐久性を上げており、カビや藻などが付きにくい利点があります。
また、汚れが浮きやすいので雨でキレイになる機能も持っています。
この3つは耐久性が高い分、工事費用も他の方法よりあがります。
安い方法で回数を増やすか、高価でも回数を減らすか
結局塗料は何を基準に決めればいいのか?
ここまで書いてきたように、塗料はそれぞれの耐用年数と特徴を持っており、材料費や施工費用も変わります。ですから、施工にあたってはその地域の気象条件、お客様の趣向、予算に合わせた選択をすることが最も重要です。
回数か耐久度か?
概略でいえば、安い塗料は耐久性が低く、高い塗料は長持ちするのが実情です。ですから、安い方法を短い間隔で繰り返すか、回数を減らして高い方法を選択するか、というライフスタイルでも塗料選択は変わります。
金沢の地域に密着、実績が多い塗装業者に頼む重要性
どれほど高価な塗料を使っても、施工がしっかり行われなければその塗料が持つ性能は発揮されません。
ですから、依頼する側にとって最も重要なのは、塗料選びではなく業者選びです。
塗装は専門性が高いので、依頼主は手を抜かれてもよくわからないという特徴をもっています。
ですから施工例が多く、評判がしっかりした業者に頼むことが塗装の耐久性を左右すると言っても良いでしょう。